電波望遠鏡の色々・・・ この場所からは、三つの電波望遠鏡が見えています。手前正面にあるのが3.3mパラボラアンテナで、一番奥の小さく見えるのが10m電波望遠鏡、左上がVERA20m電波望遠鏡になります。 1987年に天文台・水沢地区がはじめて電波観測基礎実験を行いました。それまで(緯度観測所時代)は、星を目で見て観測する光学観測が行われていましたが、星からの電波をパラボラアンテナで受信するVLBI観測により高い観測精度を得ることができます。
天文広域精測望遠鏡(銘板から)
アンテナシステム
製造年月 2001年3月 三菱電機株式会社
左横のパネルには、アンテナが置かれている座標が、北緯、東経、標高とかなり細かい数字が書きこまれてありました。
文部科学省国立天文台水沢局
アンテナに登る時の注意・・・ ・・係員以外立入禁止、頭上注意、ヘルメット着用、アンテナに登る時は安全スイッチをONにする・・と書かれていました。
アンテナ全体を動かす一番下の部分で、アンテナの仰角を変更する黒いギア状の部分かなあと思います。 380トンある巨大なアンテナ全体の仰角を変えるギアの部分でしょうか・・。
北緯39度8分の緯度線・・・
1889年から緯度変化の国際共同観測を北緯39度8分で行うことが決まり、水沢(現在の奥州市)を含めて世界6ヵ所で観測が始まられました。水沢のこの地に観測所が設けられ、その後眼視天頂儀(光学望遠鏡)を使った観測で、この地点の緯度は北緯39度8分3秒と決められました。この先にある小屋が当時の観測室です。 現在この地点の世界座標系での緯度は39度8分2.2秒です。わずかな差があるのは、鉛直線偏差(地球の重力場に偏りがあらうこと)が原因となっています。