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神社までの道を祓い清める・・・

歳戸木に火が入り燃え上がる頃、その火の中に長い木の棒を差し入れて燃やします。それから燃えさしを手にして、神社お堂までの道を祓いながら清めます。ほとんどの方は両手に燃えている木の棒を持ち、中腰になり地面を払うようにして神社まで進みます。

その後、神社左側入り口の階段や入り口上部に、両手にしっかりと持っている火のついた木を思いっきり叩きつけます。 しかし入り口には、その所作を見ている長老が目を光られていて、「まだまだ」とか「やり直し」と言って叩きつける寸前の木を踏みつけたり、体を押して邪魔をします。

例年見ていますが、長老のやりとりと男衆の迫力ある動きが見所なのです。ほとんど暗いところでの所作ですから、ストロボを使用しないと撮影が出来ません。今回は煙の流れる方向が神社側に来ている事や、ストロボと使用したレンズの相性が良くなくて、すっきりとした画像にはなりませんでした。

神社までの道を祓い清める・・・

21:55頃・・・

ほとんどの方がこのスタイルで進みます。かなり長い木の燃えさしですが、両手でがっちりと握り、地面すれすれに横に振りながら進みます。

この時大声で気勢を上げるのですが、なんと言っていたかはっきりしませんでした。
神社までの道を祓い清める 1
神社までの道を祓い清める 2 神社までの道を祓い清める 3
神社までの道を祓い清める 4 神社入り口階段寸前で、長老が長靴で上から踏みつけて邪魔をします。「やり直し」、「だめだめ」と気合いが入ります。

下の画像の男性は、かなり太い木の棒を持って進んでいました。
神社までの道を祓い清める 5 神社までの道を祓い清める 6

神社入り口を叩き清める・・・

神社に叩きつける寸前で、「まだまだ」と言って棒を押さえられて進めません。進む男衆も押さえる長老も凄い形相になり必死の駆け引きになります。
神社入り口を叩き清める 1
神社入り口を叩き清める 2 「がつん・・」と入り口に叩きつけました。この時飛び散る火の粉で祓い清めると言います。

叩きつける寸前に長老がひょいと除けます。前に見たときの事でしたが、勢い余って除けきれない長老の左肩を直撃した場面を撮影したことがあります。

男衆も必死ですし、その相手をする長老も緊張の連続です。
神社入り口を叩き清める 3 こうやって入り口正面に構えているのです。優しい表情ではありませんので、一瞬ですが男衆は構えてしまいますね。

入り口の上は叩きやすい(失礼な表現ですが)場所で、振り上げた燃えさしの木が真上に来てばしーんと火の粉が飛び散ります。
神社入り口を叩き清める 4 神社入り口を叩き清める 5
神社入り口を叩き清める 6 長老が首をかしげて見ています。上には届かないので、入り口の下を叩くことになります。

ここからの四コマは、その時の様子から選んでみました。
神社入り口を叩き清める 7 神社入り口を叩き清める 8
神社入り口を叩き清める 9 神社入り口を叩き清める 10

神社内を祓い清める・・・

拝殿の清めの様子です。この場所は男衆の邪魔になるので立ち入ることが出来ないのですが、外からその様子を撮影してみました。

拝殿内の壁は、叩きつけられた燃えさしの炭であちこちが黒くなっています。歴代の厄年連男衆が叩きつけた跡が黒々と見えていました。

格子戸を叩き清め、床を祓い清めています。
堂内を祓い清める 1
堂内を祓い清める 2 堂内を祓い清める 3


燃え上がる歳戸木上最後の男衆・・・

最初にも書きましたが、燃え上がる歳戸木に登っていられるのは良いところ30分ぐらいのようです。それ以上になると、燃え方と煙の様子によっても違いますが上にいられなくなり、ほとんどの男衆が自ら飛び降りるか、「降りろー」と周囲から注意されて降りるようです。



たまたまでしたが最後の男衆を撮影しました。時間は午後十時十五分頃でした。最初は煙に隠れて分からなかったのですが、煙の中から全身を見せた男衆の身体左側が黒っぽくなっていました。多分ですが、かなりの火傷をしているなと思いました。手にした角灯はぼろぼろになっています。最後の勇者とでも言いますか、大変だったと思います。あまり火傷がひどくないことを祈る気持ちで一杯です。ご苦労様でした・・・
最後まで頑張った男衆 1 最後まで頑張った男衆 2・・・身体の左側が大変そうです。


最後まで燃え上がる歳戸木・・・

午後九時半に点火された歳戸木ですが、完全に火が回りもの凄い火力で燃え上がります。最初は周囲にいた観客もその熱気に押され、遠巻きにして見ながら暖をとります。

この火は、最後の蘇民袋争奪戦で男衆や一般観衆が小間木を手に入れるまで燃え続けています。暗闇を照らし暖をもたらす火には、古来から聖なるものとして不思議な魔力があります。
燃え上がる歳戸木 1
燃え上がる歳戸木 2 燃え上がる歳戸木 3


燃え上がる歳戸木の明かりで浮き上がる江刺区伊手熊野神社です。
毎回見ていて心が洗われる場面です。最初にも書きましたが、今回の熊野神社蘇民祭では火たき登りの場面だけを撮影して帰りました。岩手ではこれからの予定として、同じ内容で2月19日には二戸市で「さいとぎ」祭がありますし、翌20日は水沢区黒石寺の「蘇民祭」があります。

そんな行事の予定を知ると出かけてみたくなる私です。厳冬期で現地まで行く苦労と寒いのは覚悟ですが、実際に参加されている男衆のエネルギーを目の当たりで頂き、自分の活力の源にしたいなと思います。
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