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   2012二戸市呑香稲荷神社探湯祭・湯立ち神事


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一番最初に釜に熊差を入れ持ち上げ、熱湯がしたたり落ちる状態のまま拝殿前に進みます。

湯立ち神事・・・

タイトルでは探湯祭と書きましたが、現地でお聞きしたりネット資料から確認すると、・・・特殊神事として、古法厳守された旧正月春祈祷釜鳴式、5月探湯祭(クガタチ)が執り行われ、毎年大勢の参拝者で賑わっている・・・、となっています。クガタチと呼ばれる特殊神事ですが、ここでは一般的な湯立て神事として紹介いたします。

結界の中で神事を行うのは呑香稲荷神社の宮司お一人ですが、護摩焚きの時は禰宜の男性(息子さん)と権禰宜の女性(宮司の奥様)の三人で行います。護摩焚き以後は、祝詞奏上、清め(釜の鍔に塩を置く)、切り火、大麻祓い、御幣撹拌、湯立てと続きます。時間にして厳粛な神事は二十三分ほどでしたが、初めて見る私には厳粛さと迫力に圧倒されかなりの時間がかかったように思えました。

なお、神事の流れの解説等は一切ありませんので、観た感じでの区分けになります。


11:28 拝殿神事終了・・・

十一時過ぎから拝殿での神事始まりました。拝殿外の廊下で神事を見ていましたが、私なりに中に居られる参詣者と同じ動きをしています。

神事が終わった皆さんは、手に袋を持ち拝殿から出てこられます。そして、結界の周囲に立つか椅子に座ってこれから始まる湯立ての神事を観ることになります。
拝殿から出てくる参詣者
準備完了の湯立ちの場、三宝の上には護摩札がのせられています。

三宝に乗せられた護摩札・・・

左側に三つは社務所から運ばれ、右側の三宝は拝殿から運ばれてきた護摩札です。

拝殿からは、禰宜の方が塩の皿と御幣が運ばれてきました。その後から権禰宜方が続きます。最後に、熊笹の束を手にした宮司が出てきます。

宮司、禰宜、権禰宜の三人は、白装束と裸足になっています。宮司は白鉢巻きをし、紅白の紐でたすき掛けをし衣装をがっちりとかためていました。

御幣を運ぶ禰宜 熊笹の束を持つ宮司

11:34 護摩焚き・・・

護摩焚きが始まりました。今まで見てきた護摩木はただの薪木ですが、ここでは御札に祈願と氏名の書かれた御札でした。

護摩札には、家内平和 商繁盛 萬難厭除祓霊符、そして氏名が書かれてあります。

かなりの数ですが、宮司と禰宜・権禰宜の三人が手分けをし、一枚ずつ名前を読みながら火に入れます。

護摩焚き 1
護摩焚き 2 護摩焚き 3
護摩焚き 4 3m程前での護摩焚きです。はっきりと聞こえる言葉で、護摩札に書かれてある氏名を読み上げ火に入れます。

責任役員の二人の男性が、火をかき混ぜて良く燃えるように何度もかき混ぜます。宮司は腰に巻いたタスキに裾を挟み込み、次の動きのための身支度をします。

権禰宜の女性は、護摩焚きの煙を自分の身体に掛ける仕草の様に思えました。
護摩焚き 5 護摩焚き 6
護摩焚き 7 護摩札を完全に燃え尽きるまで丁寧にかき混ぜていますが、宮司と権禰宜はジーッと見つめたままです。

完全に燃え尽きた頃、責任役員の男性が板きれを手にして周りの砂を集めだしました。最初は砂をかけて火を消すのかと思いましたが、周囲の砂が集められて釜の周りが盛り上がった通路状になりました。

宮司は周りを歩き、砂を踏みしめています。足場の確認をしていると思われます。
護摩焚き 8 護摩焚き 9
護摩焚き 10 護摩焚き 11

11:45 祝詞奏上・・・

結界内に設けられた祭壇前で宮司が祝詞を奏上します。失礼とは思いつつ、湯立ち(くがたち)に関わる祈りを知りたくてレコーダーで記録しました。

記録から文章を起こしましたが、祝詞の内容は聞き取れない言葉や表記できない言葉であり、断片的にしか文章化が出来ませんでした。

祝詞の中に湯ノ花という言葉が聞かれますが、後で出てくる湯立ち神事の最大の見せ場になります。
祝詞奏上 1
祝詞奏上 2 ・・注連縄張り巡らし・・の大神・・産土の大神等の大前を諸神奉りて 恐み恐み白さく。

・・庭の良き所に 釜鍋据え置き奉りて 水の真白湯を・・燃やして・・神代の昔より伝わり来る くがたちの神業仕え奉りて・・庭に集える諸人らに 湯の花・・まき散らして諸々のまが事 罪汚れを清め祓い給う様を すみらけく やすらけく いそなわまして・・人々を守り幸へ給いて・・諸々の・・生業を勤しみはげみて・・命長く・・家内・・枝をならさず・・家門高く・・八十続きに・・恐み恐み白す。


責任役員の方は、祝詞奏上の間両手で印を結び、厳粛な雰囲気でした。
祝詞奏上 3 祝詞奏上 4
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