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21:00 サイトギ・・・

気象現象の予報等が出来なかった昔、当時の人達の日常的な経験の積み重ねから生まれた占い行事であると思われます。舞い上がる火の粉が南に流れる(現場では北風)と、夏に冷害をもたらす「やませ」が吹かずに豊作、神社側に流れる(現場では南風)と「やませ」が吹いて凶作になる。このことは、その時期の季節風の吹き方から夏の風向きを暗示させます。

また、「おこもり」が崩れたり虫が付いたりすると凶作になる。これも、暖冬の時は冷たい夏になると言うことを暗示させます。また、別の資料によりますと、火の粉が地面を這えば稲が倒れ、サイトギの火付きが悪ければ雨が多い・・、と言った御託宣も降りると言います。      

(※前回の記事より転記)


裸参りが終了し、腰に巻いた腰蓑(注連縄)を外しわらじ履きの男たち19名が燃え始めているサイトギの周りに集合します。前回見たときは10名の男たちですから、今回は二倍の人数になりました。責任者の方と後日お会いし、当日のお礼を述べたときのことです。「・・・今年は男たちがいつもより多く参加したので、サイトギを叩く棒に触らない人もあったはずです。あの棒は4m程の細長い雑木で造りますが、八本しか用意しなかったからです・・・」とのことでした。

改めてサイトギの周りの男たちを見ると、二人掛かりで井桁の火に入れている様子が見られます。肝心の撮影する場所も限られ、前回より比較的井桁に近い所に三脚を置きましたので、燃え上がる炎の全体を撮影することができません。それにしてもよく降る雪ですが、井桁の火の周辺では雪の粒が溶けているのかもしれません。

今回の課題は、カメラの防水装置が必要であったと言うことです。タオルを掛けた程度では湿ってしまい、それなりの準備をしないと満足する撮影ができなかったことです。

ホラ貝と太鼓の合図でサイトギの炎の儀式が始まります。 ホラ貝と太鼓の合図でサイトギの炎の儀式が始まりますが、今回ははっきりと聞き取れません。左端からホラ貝を吹く方、太鼓を叩く方、そして宮司の方が見えています。

それにしてもよく降る雪でした。
勢いよく燃え上がるサイトギ 1 井桁に組まれ境内に置かれたサイトギは、19:30頃に火が付けられています。焚き付けは旧正月のお飾りで、井桁に組まれたサイトギの周りにぎっしりと置かれてあります。それに火が入ると、勢いよく燃え上がります。

「生の雑木なので燃えないと大変です。また、燃えすぎてもダメなのです。水をかけたり雪をかけたりして調節します・・」とのことです。(※前回記事より)

ただ燃えているだけでは火の粉は上がりませんが、男たちが長い叩き棒をやぐらに中に入れ動かします。その途端、ものすごい火柱が天高く舞い上がります。
勢いよく燃え上がるサイトギ 2 勢いよく燃え上がるサイトギ 3
勢いよく燃え上がるサイトギ 4 勢いよく燃え上がるサイトギ 5・・・叩くのを止めると火勢が弱くなります。

ここからは縦位置にし、可能な限り炎の先を追ってみました。燃えさかるサイトギの側に雪の山がありますが、この雪を適度にサイトギにスコップで掛けて火勢を調節します。最初に書きましたが、サイトギに突っ込んで叩く雑木の棒が人数分ありませんので、二人掛かりで振り回している様子が見られます。

途中から雪の山に男の子が二人座り込んで見ています。うん十年の先、この地でサイトギを叩く男たちを夢見ているのかと思います。
勢いよく燃え上がるサイトギ 6 勢いよく燃え上がるサイトギ 7
勢いよく燃え上がるサイトギ 8 勢いよく燃え上がるサイトギ 9
勢いよく燃え上がるサイトギ 10 ストロボ撮影した男たちの様子です。拡大画面にすると三人で叩き棒をサイトギに突っ込み、動かしている様子が分かります。

サイトギの形がかなり崩れてきました。そろそろ終了になります。
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