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       2008奥州市黒石寺・蘇民祭


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蘇民祭執行中を告げる立札。

2月13日深夜から翌早朝にかけて、ポスター騒動で注目を浴び話題になった黒石寺蘇民祭が行われた。奇祭中の奇祭と言うことで、事前の取材応募の数が凄いこと、噂を聞いての物珍しさの人出が空前のものになるだろう・・と言う話題でもちきりであった。岩手県警も、「生まれたままでの姿での参加は公然わいせつで逮捕する」と宣言し、今までにない厳しい方針を出していた。

千年も前の昔から続けられてきた蘇民祭、これは寺と寺を維持する檀家衆の薬師如来信仰によって進められてきているという。親方衆、檀家衆が結束し、1カ月前からの木の切り出しに始まり、蘇民袋の織り上げ、中に入る小間木の製作等々一連の作業を進めてきた。その基本姿勢は檀家衆の昔から今に至るまで、参加する人々の「御精進」であるという。蘇民祭当日の当事者以外は、あくまでも一般の参観者・観衆である。

当日は大荒れに荒れた吹雪の日、日中から夜にかけても風雪が続いた。当然のことであるが蘇民祭の歴史の中で、風雪の日はあったはずである。今回は事前の予想に反し、昨年よりも少ない人出であったと思う。その中で予定通り蘇民祭の儀式が古式に法り厳粛に執り行われた。

昨年に続いて二回目の撮影になりますが、今回は事前の準備の様子、裸参り(祈願祭)、柴燈木登りの様子を撮影しました。黒石寺の詳細や蘇民祭の全内容については、昨年撮影した2007岩手水沢黒石寺・蘇民祭をご覧ください。



水沢からR343で大東町に向かう途中にある黒石寺。

蘇民祭の二日前のことですが、大原地区で行われる水掛祭りを撮影に行きました。大原地区に行くには、黒石寺の前を通ります。

9:30でしたが、気温はマイナス5度でした、天気が良かったので寄り道しました。

黒石寺参道入り口にある石碑。 本堂・薬師堂の入り口にある石碑と大きな看板です。その横には、蘇民祭執行中と記された立て札がありました。
水ごりが行われる瑠璃壺川。 裸参りで男衆が水ごりをする瑠璃壺川です。上流には曹洞宗の古刹「正法寺」がありますが、そこから流れてくる山内川を堰き止めてあります。深いところで股下位ありますので、70センチはあると思います。
水面には薄氷が張っていました。右上の階段からここに下りてきます。 水ごりの場所から降りてくる方向を見ます。降りてくる道路は階段であり、がちがちと凍っています。祈願祭の時は角灯を手にし、「ジャッソー・ジョヤサ」の掛け声でここまで降りてきます。
境内下の鐘楼堂、ここから鐘が鳴らされ儀式が進行します。 本堂前の境内下の鐘楼堂です。当日の蘇民祭儀式の進行は、ここから鳴らされる鐘の音で始まります。その下には、むしろを張った「おこもり小屋」が作られていました。

本堂に登っていったら、見たことのある女性が鍵を持って降りてきた。もしかして住職さんと思ったが「お早うございます」と挨拶したのみですれ違った。こっちから声を掛ければ良かったなあと思った。
本堂の中から参道を見下ろした様子。 本堂の中から参道を見下ろした様子です。本堂前の両側には、鋳物で作られた狛犬が対で置かれています。境内にはかなりの雪があり、雪のない昨年とは違った雰囲気になっていました。


上の段の画像は本堂内部の様子です。祭壇前には頑丈な格子戸があり、その下に昨年と同様にひっそりと話題になったポスターが貼られてありました。昨年もそうでしたが、暗いところにある関係で反射が気になります。場所を変えて反射の少ない角度で撮影しました。反射のないポスター画像はこちらから・・。

本堂の左右の上には、がっちりとした棚の部分があります。ここには蘇民袋争奪戦の撮影には最高の場所ですが、以前はともかく今は許可のない方は登れません。昨年も見たのですが、上げろ、だめだ、何故と言い合いにもなっていました。今年は事前に市のHPで取材陣に対して通告があり、一団体1名で10人までとなっていました。

おこもり小屋、むしろで周囲を囲ったのみで屋根はまだ無い。電気工事の方が二人で配線をしていた。早くからご苦労さんである。「お早うございます、寒いねー」と挨拶をする。主任と思える方と色々話しをする。「全部の小屋に配線するの・・?」、「警察がうるさくて暗くしてはダメだ・・、金かかるよ」なるほどである。

「今年は大変そうですね」と言ったら、「おらも二十歳から30年ほど出ているが、本当はこんなに混まないのだよ」「関東から来る人はほとんど常連の人で、おーっまた来たよ・・と言う人達だ」。 「平日なので地元の人しか来ないのす・・」「地元ではあんまり珍しくないからね・・」そんな話しをして別れた。

本堂内の様子 1・・・祭壇前の頑丈な格子戸、ここに男達が登ります。 本堂内の様子 2・・・ひっそりと貼られているポスターです。色々な話題が飛び交いました。 本堂内の様子 3・・・上に登ると撮影には最高の場所になるのですが・・。
作業中のおこもり小屋 1・・・左端は本部の小屋になるところです。 作業中のおこもり小屋 2・・・境内下の広場に柴燈木がくまれます。シートが掛かっていますが、使われる松の木が入っています。 作業中のおこもり小屋 3・・・それぞれの団体が、思い思いの小屋を造るようです。

境内の高いところにある妙見堂、ここまで裸参りで登ります。 境内の高いところにある妙見堂で、本堂・薬師堂の左側から階段を上って行きます。祈願祭の時は、裸参りの男衆と一般の参拝者が角灯を手にして登るところです。
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