民俗芸能アラカルトに戻る


        鬼の館芸能公演・谷地鬼剣舞


ウチノメ屋敷 レンズの目 自然の表情 暮らしの表情 ウチノメアーカイブス
岩手の鍾乳洞 ほっづぎある記 心のオアシス  

location:uchinome.jpトップ>暮らしの表情>民俗芸能アラカルト>鬼の館芸能公演・谷地鬼剣舞


 サイトマップ


谷地鬼剣舞の囃子方の皆さんです。

北上市立鬼の館で、平成二十年度は四月から十回の芸能公演がありました。私は九月と十月に公演を見て撮影してきました。近場でもあり以前から知っては居たのですが、今まで訪れる機会がありませんでした。

十月二十六日のことでしたが、谷地鬼剣舞の芸能公演を撮影するために鬼の館を訪れました。前回とは違い朝からの雨降りで、当然ですが野外ステージは使用できません。玄関から入ったところがエントランスホールになっていて、すでに多くの観客が待ちかまえていました。

あれれと思ったのが、小学生ぐらいの団体がバスでお出でになっていたことです。皆さんおそろいのコートを着用し、聞こえてくる会話が「カニむくり」を見たいと言いますので驚きました。たまたまでしたが、側にいた女の子に「皆さんも鬼剣舞やっているの・・」とお聞きしたら「ハイ」という元気な返事がありました。帰り際にコートに書かれたマークを見たら、「北海道滑田鬼剣舞愛好会・・一踊懸命」と書かれてありました。

開会に先立ち、鬼の館学芸員の方からお話しがありました。
外は雨降りと言う天候なのに、会場に足を運んでいただきまして本当に有り難うございます。今日が平成20年度の最終公演となります。今日お招きしますのが「谷地鬼剣舞さん」と言うことで、最終を飾っていただくことになります。演目を見てみますと、最終にふさわしいような人数的にも華やかさを増しまして、規則と言うよりもそう言うことをないがしろにして、今日は華やかに行きましょうと言うことでございます。色々な演目7演目を皆さんに鑑賞していただくことになっております。

おかどさん方・・囃子方とも言いますが、笛、手平鉦(鉦と言います)、太鼓の三種よって演奏致します。そして踊る方を踊り手、踊り子と言いますが、この二つの方々が一緒になりまして呼吸が合わないと踊れない、これが鬼剣舞、また芸能の姿でもございます。今日は最初に一番庭、一人加護、カニむくり、三番庭の狂い、膳舞、刀剣舞の狂い、三人加護の7演目を鑑賞していただきます。

今日演じて頂く保存会、歴史は古く明治後半になりまして滑田鬼剣舞保存会の方から教わりまして、地域に持ち帰り踊られている。しかしながら、戦中人数不足なども来しまして衰退しますが、今から三十一年ぐらい前に復興し現在に至っています。現在は若い人、小学生中学生高校生そして大人まで、総勢二十五六名で踊られると言います。青少年の育成に力を入れて伝承活動に励んでいる保存会、これが谷地鬼剣舞保存会でございます


室内撮影となると、いつも迷うのがカメラのセッティングを何処に置くかと言うことです。色々悩みましたが、今回は最前列に場所を取り、椅子席を使わずに床に座り三脚を置きました。したがって今までのように望遠レンズは使えませんし、全体の様子も撮影できません。本当に近いときは2m以内で演じられますので、演じる方の雰囲気を壊さないように撮影する方もかなり緊張します。

室内の一番前と言うこともあり、
演じる方々には目の前でストロボを発光されるという最悪の条件だったろうと思いました。ここでは、鬼の館の職員と庭元の方からの解説をお聞きしながら七演目を鑑賞しました。その中から五演目を紹介します。演目の内容を良く理解しないまま、撮影した画像から編集したことをお断りします。



鬼の館に入ると一番先に目に入る大きな鬼剣舞面です。 玄関から入った正面にある巨大な鬼剣舞の面です。椅子に座っている方の背丈から、その大きさがお分かりかと思います。

今日のステージはこのフロアが舞台になります。開演前に一番目立ったのが可愛い女の子の剣舞姿でした。大きな扇を振り回していましたが、注目を浴びていました。

また、学芸員の方の流れような解説も納得が出来て良かったなあと思いました。しっかり解説をお聞きしてから舞を見ると、何となく意味が分かってくるから不思議なものです。
館長のTさんから挨拶がありました。

鬼の館館長挨拶・・・
館長を仰せつかっているTです。今日はあいにくの天候の所を沢山の皆さんにお出で頂き有り難うございました。今回で十一回目の公演となります。先月までおよそ千七百名ほどの方々に鑑賞いただきました。

今日は最終日にふさわしい「谷地鬼剣舞」の方々にお越しをいただきました。今日は全員が出席して頂くことになっております。なお今日は、東京のテレビ局の方からも取材に来ておりますので、協力をお願いしたいと思います。それから岡本さん、渡る世間は鬼ばかりの皆さんご存じの方だと思います。今日は最終日と言うことで、一言ご挨拶を申し上げました。

流れるような口調で解説なされた学芸員の方。 チビッコ鬼剣舞の装束がぴったりとしていて、あちこち笑顔を振りまいていました。


谷地鬼剣舞・・・
明治の晩年、滑田鬼剣舞の指導を受け、大正元年旧七月十五日に秘伝書を伝授されて創立しました。以後、旧江釣子村の中央部にあって滑田剣舞とともに活躍しましたが、昭和四十年代に後継者難で一時中断。岩手国体を契機に復活に機運が芽生え、昭和五十二年に踊り手・囃方などのすべてを若者達によって組織し、再開しました。郷土芸能を通して、若い世代の地域づくりがなされており注目できます。(※会場で頂いた資料から)
演じられた七演目と、アンコールから五演目を紹介いたします。それぞれのサムネール画像かタイトルをクリックしてお進み下さい。

◎一番庭

◎一人加護

◎カニむくり

◎膳舞

◎宙返り
一番庭の構え
元気よく飛び出てきた白面をつけたベテラン中学生による一人加護です。 アクロバット的見せ場の多いカニむくりのでんぐりがえし。
いつ見ても見とれる膳を上に投げ上げる仕草の膳舞です。 迫力満点の見せ場、刀を最高で八本持っての宙返りです。