早池峰神楽には大償神楽と岳神楽の二つがあり、昭和五十一年五月に国の重要無形民俗文化財に指定されております。
一月二日、午前十時半から花巻市大迫地区にある神楽の館で舞初めが行われ出かけてきました。
二つある早池峰神楽の内、舞を見て撮影する機会に恵まれたのが「岳神楽」の方でした。「大償神楽」は今回で二回目になりますし、舞初めは初めてのことになります。
舞初めでは延々五時間ほど、演目にして十一ありました。演目全てを撮影していますので、その中から八演目を紹介いたします。神楽に興味を持ち撮影を始めてから三年を過ぎましたが、未だに演目の内容と演技との関わりが良く理解できないまま今に至っております。私にとって、きちんと解説を頂いてから神楽の舞を見るとよく分かるのですが、一年の初めである舞初めで詳細な解説は無理なことかも知れません。
早池峰神社の奉納神楽・岳神楽と大償神社の奉納神楽・大償神楽の二つの神楽座の総称を早池峰神楽といい、昭和五十一年五月四碑、国の重要無形民俗文化財に指定された。
両神楽は、東根嶽(早池峰山の古名)の神を祭る田中神社の田中神楽を源流とする兄弟神楽といわれており、早池峰を霊場とする修験山伏によって伝承されてきたといわれているため、山伏神楽とも呼ばれる。伝承由来は古記録等を焼失しており不明であるが、岳神楽では、下閉伊郡の小国から常楽なる法印が伝えたとも、宮古の釜津田左京なる法印が伝えたともいわれている。岳の早池峰神社には、文禄四年(1595)銘の権現頭がある。
大償神楽では、早池峰山開祖田中兵部の創立した田中明神の神主によって大償に伝えられたといい、長享二年(1488)の神楽伝授書がある。いずれにしても、その初源は南北朝時代まで遡るものと考えられ、五百年以上の伝統を持つ非常に古い神楽であるといわれている。
岳神楽と大償神楽とは、表裏一体をなしているとも言われ、演目はどちらも呼称の違いが多少あるもののほぼ同じであり、約四十番ずつ伝承している。岳神楽は勇壮で激しく活発な「荒舞」を得意としているのに対し、大償神楽では、ゆるやかで繊細な芸風に特徴があり、「女舞」を得意としているなどと評されるが、得意演目に差があるとは思えず、双方とも「荒舞」、「女舞」のそれぞれに味わいを持っている。 (※頂いた早池峰神楽資料から)
早池峰神楽の公演には、全国からフアンの方が訪れると言います。今回の舞初めも神楽座の一番前の方は、開演三時間前あたりから場所が埋まったと言います。私も一時間半ぐらい前に会場に行きましたが、一番前は無理でした。かろうじて柱の側に陣取り何とか撮影することが出来ました。一番良い場所は、神楽幕右側にある通路でした。撮影する方が五名程入ると満席になります。次回行くとしたら、八時前に行かないと無理なようです。
十時半頃から始まった舞初めですが、多くのフアンの皆様が二間四方の注連縄の張られた結界の中での舞に、時間を忘れて見とれていました。お昼に休憩があり、全員におにぎりの弁当が配られるなど心配りがあり感謝しています。
最後になりますが、早池峰神楽は今秋、ユネスコの無形文化遺産登録が確実視されていると言います。神楽フアンにとっては素晴らしいことであり、岩手県内の神楽はもちろんのこと、数多くの人々が伝承芸能である神楽を盛り上げることを私も願います。
※文中の解説等は、神田より子氏のネット資料等を参照させていただきました。また、神楽の用語等がはっきりと分
からないままに説明文章を綴っていることをお断りします。 |