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  2011年水沢区・鎮守府八幡宮特殊神事加勢祭

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                 特殊神事加勢祭

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鬨の声を上げて拍手、足踏みをする皆さん。
昨年の事でしたが、初めて知った奥州市水沢区・鎮守府八幡宮で行われる特殊神事「加勢祭(そみん祭)」でした。岩手県内で行われている蘇民祭は十ヵ所ありますが、ほとんどの場所ではコマ木と称する縁起物を捲き、下帯姿の男衆がコマ木の入れられていた蘇民袋の争奪戦が行われています。

家の近くに鎮座する鎮守府八幡宮では、特殊神事加勢祭(そみん祭)が旧暦正月八日(今年は2月10日)に蘇民祭の原点とも言える神事が執り行われています。昨年も訪れて撮影しましたが、撮影場所や条件等が制限され思うようにはいきませんでした。

たまたまでしたが、所属するグループの知人に八幡宮の氏子総代の方がおり様々な事をお聞きし今年も訪れました。昨年からの私の課題は、カラス札のそみん像、嵯峨天皇宸筆八幡宮護王寶印を戴くことと、田村麻呂将軍の奉納された社寶である「御宝剣」と「御弓矢」を撮影することでした。

トップの画像は、宮司の唱えるかけ声と供に田村麻呂将軍の奉納になる社寶の「御宝剣」「御弓矢」手にした武人が、神社から外に向かって大声で叫んでいる様子です。昨年宮司から教えられたことは、「撮影場所はどこでもいいのですが正面にいると飛ばされますよ・・」と言われて事を思い出していました。


正面の鳥居かなりの雪がありましたが、きれいに払われています。 鎮守府八幡宮・・・

桓武天皇 延暦二十年(801)に坂上田村麻呂をして東奥鎮撫のとき崇敬勅請せらる宇佐八幡神霊 この地に鎮まり給ひ 鎮守府八幡宮と号して東北開拓経営の守護神となられ給ふ 国家の崇敬厚く嵯峨天皇より宸筆の八幡宮印を賜る

源頼義 義家 奥州藤原氏は共に神威を蒙り報賽するに新領新宝をもってす 文治五年(1189) 源頼朝は殊に欽仰し神事悉く幕府の御願とし陸奥出羽両国の官物をもって諸祭を執行し恒例とす

正面に本殿、右側に社務所が見えています。 豊臣秀吉及び伊達氏も亦厚く崇敬し社殿を奉納す 文化年中伊達奥七郡の総寄進をもって現社殿を造営す 明治九年御巡幸のとき 明治天応の御代拝を賜る 朝廷将軍領主庶民の尊崇厚きにより県社に列す
(※現地にある案内板から)



素晴らしい天気に恵まれた日でした。知人からお聞きしていましたので、社務所に入りお祝いと家族数を知らせました。受付係の方は来訪者からお祝いを受け取り、ご芳名と家族数を記入していきます。
社務所での受け付け 記帳する係の方。


祭壇に見えている弓と権現様。 神事が始まる前に撮影した祭壇の様子です。長い棒の様に見えるのが田村麻呂将軍の奉納された弓になり、宝剣と矢については箱の中にありますので見えません。

祭壇 正面には、鎮守府八幡宮の権現様が置かれてありました。


三宝にはそみん像(カラス札)が置かれています。 権現様の下に机があり、その上に三宝が置かれカラス札(そみん像)が乗せられていました。
神事・・・

祭壇にそみん像札が飾られ神事が始まります。昨年は宮司が二人でしたが、今年はお一人です。

そみん像札が祭壇に乗せられています。
進行役の総代長。 氏子総代長の方とお見受けしましたが、この方の進行で神事が進められます。

総代の方々や関係者が前列に座り、その後ろに一般の方々や私達が座りました。中には、新聞で見ましたという方も参加しており、立場は私と同様でした。

神事の儀式は次第に則り進められます。私も皆さんと同じにお祓いを受けました。
神事 1 神事 2
神事 3 神事 4
神事 5 祝詞奏上のあと、本日の参加した方々の名前と家族数が読み上げられます。私の名前は読みにくい漢字で、係の方が側に来て読み方を確認をされました。

神事は15分ほどかかりましたが、進行の方が「これから特集神事加勢祭を行います」と告げられました。私を含めて撮影する方々が急いで正面入り口脇ら外に出ました。


特殊神事 加勢祭(そみん祭)・・・

特殊神事 加勢祭(そみん祭)のご案内

平成二十三年二月十日(旧暦正月八日)
午前十時 八幡宮神前にて執り行います。

神歌 「八幡の斎垣の内に弓張りて 向かふ矢先に悪魔来たらず」
「八幡の斎垣の内の八重桜 花が散るとも氏子もらさず」
この神歌は八幡大神さまが氏子崇敬者御守護御願いの歌です

今を遡ること千二百年余前、当宮の別当慈覚大師が氏子万民の平安を祈り八幡宮の御前において【そみん祭】を始めてより、一年も休むことなく行われてまいりました。

当日参列者は慈覚大師が御下賜そみん像、嵯峨天皇宸筆の八幡宮寶印、田村麻呂将軍奉納の御剣御弓矢を捧げ鬨の声をあげ、悪霊を退散させ八幡大神さまの御神霊を我が家へ、我が身体へ受け入れ『天下泰平、風雨順時、家内安全、家業繁栄、身体堅固、願望達成、五穀豊穣、郷土発展、諸災消滅』など、参列者一人一人が赤誠をこめ神前にこの一年の平安を祈る神事で、他のそみん祭とは形を異にし全国でも他に例を見ない当宮のみ一社にて斎行される特別な神事です。

本年も八幡権現舞保存会により権現舞が神前に奉納されます。祭典終了後、皆様にはそみん像、嵯峨天皇宸筆八幡宮寶印が授与されます。皆様方のご参列を賜りますようご案内申し上げます。
※社務所で戴いた案内状から・・・


特殊神事『加勢祭(そみん祭)』とは、八幡宮の神前で氏子万民の平安を願う一時間ほどの神事です。資料によりますと、1200年ほど前から一年も休むことなく行われていると言います。そして、武人が宝剣と弓矢を構え宮司の「鬨(とき)の声」に併せて、天下太平・五穀豊穣、家内安全・諸災消除等の祈願を真心をもって神前に祈ります。

戴いた案内文にもありますが、他地区で行われる蘇民祭とは違っており他に例を見ない特別な神事と言えます。別の見方をするならば、蘇民祭の原点とも言えますし、全員が参加する静かな蘇民祭とも言えそうです。
(※昨年の解説ページから)

拝殿南側のガラス戸が開けられ、中にいた皆さんは一列に並んで外を向きます。昨年もそうでしたが、外から撮影するとガラスに反射して半分しか見えません。主役である宮司、社寶である「御宝剣」「御弓矢」もガラス戸の後ろになり良く見えないのです。このことについて知人に話したら、「天候が良ければガラス戸を外すこともあるかなあ・・」とのことでしたがそのままでした。

しかしこのことは、特集神事の目的から外れますので、あくまでも撮影する立場の一人としての戯言であることをご理解下さい。

加勢祭 1 加勢祭 2
加勢祭 3 最前列に宮司が並び、これから加勢祭を執り行う旨のお話があります。宮司の向かって左側には「御宝剣」、右側には「御弓矢」をてにして武人姿の男性が構えています。

神歌二首を宮司が唱えた後、「いやー」と鬨の声を上げると、全員で足踏みや手ばたき、太鼓・鉦・笛・ホラ貝がならされます。

弓矢を手にした武人は、矢を前後に動かして宮司の顔近くまで動かします。
加勢祭 4
加勢祭 5 私が居た場所は正面右側ですので、御宝剣を手にした武人ははっきりと見えますが、宮司や御弓矢を手にした武人はガラス戸の中でした。

最初にも書きましたが、昨年宮司から言われたことが頭にあった私です。なるだけ正面に出て皆さんの願いの妨げならないようにしました。これは仕方ありません。
加勢祭 6 加勢祭 7
加勢祭 8 加勢祭 9
神歌二首と鬨の声は二回行われ、そのたびに大きな声と太鼓・鉦・笛の音が響き渡り終了します。時間にして3分ほどでした。

詳細解説等は昨年のページを参照してください。ここでは重複するので割愛します。
加勢祭 10
加勢祭 11 加勢祭 12
加勢祭 13 加勢祭 14
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