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19:30 お上り行列・・・

JR平泉駅前に集まった各地の講は、隊列を組んで常行堂まで進みます。この行列は献膳行列と呼ばれると思っていましたが、岩手の蘇民祭によると「お上り行列」となっていました。以下岩手の蘇民祭記述を参考に説明します。

先頭は手木を持った消防団幹部が角灯を持ち、続いて高張行灯を持った厄年連の男衆二人、松明四本(先頭二本が点火されている)を掲げた男衆四人が先頭に立ちます。続いて献膳行列になり、太鼓、僧侶、神官、榊、蘇民袋、献膳物(野菜類)、鬼子、四十二歳厄年連の松明となります。
行列の先導・・・

消防自動車のあとに、平泉町消防団団長、副団長、分団長の皆さんが行列を先導します。平泉駅からほぼ直線コースになりますが、行列が通過する間は旧国道(R4)交叉点は閉鎖されます。

現在は北上川縁を大きく経由するバイパスが開通していますので、ゆっくりと進むことができます。
行列の先導 1
行列の先導 2

四十二歳厄年の男衆の掲げる高張行灯です。前面には献灯と朱書きされ、左右には常行講、毛越寺、二十日夜祭と書かれています。資料によると、高張行灯の大きさは、一八五センチ程で、行灯部分は一五・五センチ×三七センチ×六二センチあります。

高張行灯は後ろ手に持たれ、真っ直ぐ歩くのではなく大きく左右に振れながら歩きます。かなり大変そうですが、一番目立ちますのでやりがいがありそうです。

後ろに続く松明は四本、先頭の二本だけが点火されています。

行列の先導 3 行列の先導 4

献膳行列・・・

ここからは献膳行列になります。肩から吊した太鼓を両手のばちで叩き、心地よいリズムが響き渡ります。続いて僧侶(毛越寺)が三人続きます。
献膳行列 1
献膳行列 2 続いて神官(役員)、その後には榊を手にした六十二歳の男性が続きます。
献膳行列 3 献膳行列 4
献膳行列 5・・・がっちりと目線をもらいました。 蘇民袋を手にした男性がやってきました。たまたま撮影したときこちらを向かれ。思わず「どうも・・」と声をかけてしまいました。

蘇民袋は祭りの一週間前に作られ、幅約三五センチ、長さ約一・三メートルの麻布を半分に折り、両脇を縫い合わせ袋状にする。

袋の中にはコマ木が三キロぐらい入れられており、「蘇民将来子孫門戸・毛越寺」と書かれたカツノキが3センチぐらいに切られて入れられます。
コマの入った袋はがっちりと結わえられ、その先がマゲの形をしています。

続いて野菜献膳が続きます。
献膳行列 6 献膳行列 7
献膳行列 8・・・ホウレン草と持ちを確認しました。 三宝に乗せられた野菜は、白菜、人参、ネギ、大根、ニラホウレン草、そして餅となっていました。三宝の高さとカメラの位置が同じくらいなので、はっきりと乗せられている物は確認できません。

献膳をする人は、十九歳から六十二歳までの厄年の人で男女は問わない。

鬼子・・・

続いて父親におぶわれた鬼子の子ども達になります。鬼子は数え年で七歳。麻衣で背に「威神祭」と書いてある物を着る。

手に木槌、斧(木製)を持ち、背に般若面を逆さにつけている。木槌は幸いを招くもの、斧は悪者退散、逆さ面は天井の悪を祓うとも、災い転じて福となすの意と言う。
父親におぶわれた鬼子 1
父親におぶわれた鬼子 2 父親におぶわれた鬼子 3
父親におぶわれた鬼子 4 逆さに背負った般若面、暗い場所で見たら子供は泣き出しますね。皆さん麻布の衣を着ていました。それぞれの講で保管している衣と思います。昔ならともかく、今は麻(大麻の茎の皮)は入手が困難だと言います。


行列の最後は、松明を持つ四十二歳厄年連の男衆になります。最初にもふれましたが、高張行灯を後ろ手に持つ男衆は大名行列の先払いのような歩き方をします。

左右に大きく振れながら歩きますので、かなり大変そうです。しかし、最高に目立ちます。

ここでは男衆だけをまとめてみました。実際の行列の順序とは違います。
先頭の高張行灯 1
先頭の高張行灯 2 先頭の高張行灯 3
先頭の高張行灯 4 高張行灯に続く男衆は、太くて長い松明を左手で持ち、右手には手木を持っています。

男衆の持つ松明は全て点火されるのですが、毛越寺の山門をくぐるまではそのままの状態で歩きます。境内に入り、ここで全ての松明に点火されます。

長い松明を良く見ると、上の方に横木が入り先端部が開くようになっています。火の通りを良くし、燃えやすくするためだと思われます。
松明を持つ男衆 1 松明を持つ男衆 2
松明を持つ男衆 3 松明を手にする男衆は、五つの講からの参加者になりますのでかなりの人達です。山門までは、火のつかない松明をぶつけ合い、気合いを入れながら進みます。
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