四角登りが終了すると、午後九時までは蘇民祭の行事は中断します。境内のイベント会場では、この間に餅、みかんまき、地元女性部の皆さんによる舞踊や勇壮な阿原太鼓の奉納があります。例年ですと、私の行動パターンはこの時間帯に駐車場に入り火たき登りからの見学になります。
火たき登り・・・
行列はホラ貝を先頭に、神楽囃子、神官、ボンデン、タイマツ、四十二歳厄年連、祈願者の順になります。今までは控えの場所から出発する場面も撮影していましたが、今回は下の街道から参道を登り、境内に姿を見せる場面からの撮影になります。
石段を登った境内入り口で、タキツケ(松の木)とヨシタイマツに御神火が移されます。燃え上がったタイマツを持った男衆は本堂内を駆け抜け、井桁に組まれた歳戸木(高さ3mの杉の丸太)に点火します。燃え上がる歳戸木に下帯姿の厄年連男衆が登り、「ジャッソー、ジョヤサ」と角灯と手木を振り気勢を上げます。
また、歳戸木に登らない男衆は角灯と手木を持ち時計回りに気勢を上げながら廻ります。燃え上がる歳戸木上で気勢を上げる男衆の姿は、なんと言っても勇壮な男の火祭りを思わせる場面になります。撮影した画像をレイアウトしながら気がつきましたが、歳戸木上の男衆は後ろ姿や横顔が多いのです。これは大雪になり居場所が無くなり、神社の軒先下から撮影しているからです。傘をさして雪を除け、カメラを持つのは大変でした。正面から撮影することを次回の課題にしたいと思います。
(※燃え上がる歳戸木に登って気勢を上げるのは、岩手の蘇民祭では伊手熊野神社、黒石寺、興田神社だけです。)
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