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     2012熊野神社蘇民祭・蘇民袋争奪戦


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                >蘇民袋争奪戦

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23:23 蘇民袋争奪戦・・・

鬼子登りの親子が拝殿内に駆け込んだ頃、堂内には角灯や手木を手にした男衆が一斉に集まり「ジャッソー、ジャッソー」と気勢が上がります。今回は今まで出来なかった挑戦をした私です。重いレンズの入ったバックを首にかけ、三脚の足を長靴に挟み込み、カメラは手に持って掲げての撮影です。

そうでなくても狭い堂内です。隅っこの方にいたとは言え、男衆に揉まれての全く無茶な撮影になりました。何回となく動きが私の方に来ますが、隣にいた方と二人で男衆には背を向けての押し返しになりました。カメラがむき出しですから、細心の気配りをしないと男衆を傷付けます。ですからその時は背中で受けるのです。構えてナイスショットどころではなくなり、カメラを上に掲げて見下ろす角度で夢中でシャッターを切りました。

ここでは、五つの場面に編集してあります。堂内で気勢を上げる男衆、袋出しの様子(残念ですが見えません)、刃物を持ったカシラが蘇民袋を切り裂く場面、コマ木を求めて堂内でもみ合う男衆、堂内から境内に降りての争奪戦の様子になります。
23:23 堂内で気勢をあげる男衆・・・

鬼子親子が拝殿に駆け込むと、たちまち静かな堂内は男衆で一杯になり「ジャッソー、ジャッソー」の叫び声が響き渡ります。

威勢の良い男衆が格子戸に掴まり、拳をかざしてさらに気勢があがります。狭い格子戸ですから五・六人が良いところです。
気勢をあげる男衆 1
気勢をあげる男衆 2 気勢をあげる男衆 3
気勢をあげる男衆 4 いつの間にか手にした角灯と手木が無くなり、格子戸に掴まった男衆だけが拳を振り上げて気合いを掛けます。下の男衆は手をあげるどころではなくなり、押し合いの状態になります。

この頃になると、厄年連の男衆だけでなく一般の男性も中に入り、やがて撒かれる駒木を求めて気合いが入ります。蘇民祭の争奪戦には、相手に危害を与えるような物品を身につけるのは厳禁です。

一人いましたね、腕時計をしていました。マナー違反ですぞ・・。(御免なさい)
気勢をあげる男衆 5 気勢をあげる男衆 6
気勢をあげる男衆 7 気勢をあげる男衆 8

23:37 拝殿からの袋出し・・・

神前からの袋出しは三人が向き合う中に袋が入れられ、それぞれがしっかりと袋を掴み頭を低くする。その上にカシラが膝立ちで乗る。火のついたヨシタイマツは床を這うように進み拝殿まで進む。(※岩手の蘇民祭より)

格子戸の脇の戸、今までは閉まっていましたが気がついたら開けられていました。この場面は拝殿内での神事であり、群がる男衆に遮られ堂内からは見えません。
拝殿からの袋出し 1 
拝殿からの袋出し 2 画面中央に黄色のほっかむりの役員が見えています。目線が下に行っていますし、格子戸に掴まる男衆の目線も真下を向きます。

一般的にこの場面の撮影は、堂内の隅にある三角棚に上がって撮影する方も見られます。今回はどなたも上がっていません。もちろんですが、棚に上がれば俯瞰するには良くても動きが限られますし、途中で降りることも出来なくなります。
拝殿からの袋出し 3 拝殿からの袋出し 4
拝殿からの袋出し 5 やがて、ヨシタイマツの燃える煙が充満してきます。凄い煙が出ており、袋出しの儀式の最中だと思われます。

なんとしても撮影するには、カメラ一台の身軽な装備で入り口の隅にいれば可能性もありそうですが、これはかなりの度胸と体力が無くては出来ません。

23:40 袋を切りコマ木を出す・・・

拝殿入り口から男衆(カシラ)が出てきて、群がる男衆の上に乗ります。最初は素手なのですが、途中から白布で巻いた刃物を口に咥えて気勢を上げます。

たまたま見ていたら、男衆の動きが崩れだしカシラの位置が下になりました。刃物をがっちりと咥えたカシラの表情を記録するため、ズームアップしてカメラで追います。
カシラが袋を切る 1
カシラが袋を切る 2 カシラが袋を切る 3
カシラが袋を切る 4 カシラが袋を切る 5
カシラが袋を切る 6・・・刃物を振り下ろす瞬間。 ここからはタイミング良く、刃物を振り上げたカシラの表情と格子戸に掴まる男衆の表情を連射しました。我ながらナイスショットです。男衆に揉まれたかいがありました。

かけ声と共に、思いっきり刃物を振り下ろして蘇民袋を切り開きます。私も夢中になっていたこともあり、何度刃物が振り下ろされたかは分かりません。
カシラが袋を切る 7 カシラが袋を切る 8
カシラが袋を切る 9 蘇民袋が切り開かれると、カシラは再び刃物を咥え中からコマ木を掴み出します。すでにコマ木を手にしている男衆も見られます。皆さんはこの瞬間を待ち、一斉にコマ木を求めて飛びかかります。
カシラが袋を切る 10 格子戸に掴まっていた男衆、がっちりとコマ木を掴んでいます。ここからはコマ木を拾うために堂内は大騒動になります。私も拾いたい気持ちもありましたが、完全装備の身体では動きも取れず今回は断念しました。
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