2012光勝寺五大尊蘇民祭に戻る

          2012花巻市・光勝寺裸参り


ウチノメ屋敷 レンズの目 自然の表情 暮らしの表情 ウチノメアーカイブス
岩手の鍾乳洞 岩手の蘇民祭 ほっづぎある記 心のオアシス
ドキュメント  

location:uchinome.jpトップ>岩手の蘇民祭花巻市石鳥谷・光勝寺五大尊蘇民祭2012花巻市・光勝寺蘇民祭
                >裸参り

 サイトマップ


1月28日裸参り・・・

午後六時二十分五大堂公民館に着きましたたまたま駐車スペースがあり、すんなりと車が置けて一安心。消防の方や若者が出入りしているが、公民館の中の様子は分からないので夕食をとりながら車から眺めていました。ドラム缶でたき火が燃やされ、何人かが暖をとっています。

車から降りてたき火の側に行き、半纏を着ている方に挨拶をし「出発式は中でやるのですか・・」とお聞きしたら、「そうだよ・・」とのこと。「中に入って見ても良いのですか・・」「かまないよ・・」そんな会話をして暖まっていました。

しかし、いよいよ始まる頃になり知らない場所に勝手に入ることが出来ないので、「どこから入ればいいのですか・・」とたずねると、「そんじゃ、案内すっから・・」と言われ一緒に公民館に入りました。部屋の後ろの机に角灯が置かれてあり、「このあたりなら良いから・・」と言われて待機していました。

上の画像は、五大堂公民館から700m程離れた五大尊堂までの裸参りの様子です。消防団の角灯を先頭に、角灯を持つのは左手、右手は拳にして「蘇民将来」と叫びながら厳寒の夜空の下を歩きます。


18:57 激励会・・・

上座には役員の方々が並んで座り激励会が始まった。その時、昨年胡四王神社蘇民祭で知り合った和田さんが姿を見せたので挨拶をする。和田さんは今回の密着取材に許可を頂いているとの事でした。

主催者、蘇民祭振興会会長からの挨拶、来賓代表で花巻市市議会副議長から挨拶がありました。

激励会にて 1
激励会にて 2 蘇民祭振興会会長挨拶・・・

皆さん、お晩でございます。恒例でございますが、蘇民祭と言うことで今日はその前夜祭、裸参りと言うことで多数の方がお出でいただき大変有り難うございます。

ここに来るときも感じておりましたが、今年は寒い・しばれるということで気をつけていただいて、事故のないように裸参りを盛会裡に終わることをお願いします。

(※激励会での記録から)
激励会にて 3 市議会副議長挨拶・・・

昨年は津波、地震をはじめ多くの方が亡くなり大変な年でありましたが、今年は何とかいい年になりますように願っております。先ほどお聞きしましたら23人の方が参加すると言うことで、二十代から六十代まで厳しい今晩ではございますが、ぜひ頑張ってほしいなと思っております。

合併しまして七年目を迎え色々地域課題があるわけですが、これから新しい街作りと言いますか地域の振興のために努力したいと思います。

(※激励会での記録から抜粋で)
激励会にて 4

振興会役員から注意事項についての話しがありました。

例年より外が寒いので、ちょっとしたことでも体に傷がついたりするので、気をつけて準備をお願いしたいと思います。注意事項は例年のごとく、水垢離するときは右肩からお願いする。

それから、身支度をして外に出たときは互いの肌はぶつけ合わないようにして下さい。すぐ肌が裂けますので。それから裸参りが終わった一週間ぐらいは下着を一枚多く着用してもらえば幸いです。

激励会にて 5

それから今年なんですが、身支度したあとに注連縄を締めますが、祈願が終わって五大尊から下がってきたときに焼かないで外してもらいます。本堂の前で役員達が居りますのでその人に渡してもらえば良いです。

さっき渡したお守りと噛符はその時に焼いてきます。去年までは注連縄まで焼いていたのですが、今年からはちょっと貴重になりましたので焼かないことにしました。

お守りはさらしの胸のところに入れるのですが、噛符は一の鳥居をくぐったら噛んでもらうようにします。

(※激励会での記録から)


下帯に巻く注連縄 裸参りで下帯に廻される注連縄です。説明によると、今年から焼かないで再利用すると話されていました。
手に持つ角灯 裸参りで手に持つ角灯です。名前と年齢が書かれ、最長老は67歳、最年少は28歳て、二十三名の男衆の裸参りになります。

19:05 水垢離・・・

挨拶のあとは外に出て水垢離になる。公民館入り口西側に紅白の幕が張られ、たっぷりと水が入った桶が置かれてあります。消防の方が水道水をホースで入れていた。

公民館から全裸の男達が入ってきてしゃがみ、手桶の水を頭から次々とかぶって身を清めます。外の気温はマイナス七度、「蘇民将来」と気合いを入れてかぶるから方、無言でざんぶりとかぶる方それぞれでした。
水垢離で清める 1
水垢離で清める 2 水垢離で清める 3
水垢離で清める 4 水垢離で清める 5
水垢離で清める 6 水垢離で清める 7

19:10 下帯を締める・・・

部屋に戻った男達は、長いさらしを二つに折り体に巻き下帯を締める。一人で手際よく締めていく方、手伝ってもらってぎりぎりと締めている方様々であった。

あり得ないことだが、仮に自分が同じ立場になり下帯着用と迫られてもやれないだろう・・。そんなことを想いながら撮影を続けていました。

下帯着用がすむと白足袋とわらじを履き、腰にはしめ縄を巻き付けて完成である。下帯には御札と噛符が入れられている。

下帯を締める 1
下帯を締める 2 下帯を締める 3
下帯を締める 4 下帯を締める 5
下帯を締める 6 下帯を締める 7
白足袋を履く 白足袋を履き、しっかりと爪を入れて固定します。子供の頃足袋を履くのが普通でしたが、今は履くことがほとんどでありません。
わらじを履く 白足袋を履きさらにわらじを履きますが、時代劇等で見ることがあっても自分には経験がありません。この若者達も同様であり、「左右はあるのか・・」そんな会話をしながら履いていましたから・・。
鉢巻きを巻く 頭には、光勝寺と名前の書かれた手ぬぐいで前結びの鉢巻きを付けます。巻き付けている男性の眼差しに気迫を感じています。

一番最後は、御札と噛符を下帯に挟んで完了です。
ほぼ完成 噛符を下帯に挟む

19:25 角灯に火が入る・・・

下帯を締め腰には注連縄を巻き、手前に結んだ光勝寺の鉢巻き、白足袋を履きわらじを履くと完成です。もちろんですが、下帯には御札と噛符が挟まれています。
整列する男衆 1
整列する男衆 2 部屋の後ろの机には、名前と年齢が記入された角灯が置かれてあります。自分の角灯を手にし、役員からロウソクの火をもらい点灯されます。
角灯に火が入る 1 角灯に火が入る 2
今回参加の最長老の方 この方は、胡四王神社や早池峰神社の蘇民祭でお目にかかっており、角灯には67歳と記入されていました。私とそれほど違わない年代ですが、素晴らしい精神力と気迫をお持ちの方とお見受けしました。
御神酒で身を清める 1 御神酒で身を清める 2
御神酒で身を清める 3 裸参りの装束が完成すると皆さん無口になり、部屋の中は行列の雰囲気が無言の内に伝わってきます。

部屋の出口には御神酒が置かれ、身を清める意味と身体の中から暖める意味で茶碗で飲んでいました。
準備完了です いよいよ外に出て整列し、裸参りが出発します。
                         次のページへ →