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            ケラ・オケラ


マクロの目 江刺ふるさと探訪記  

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ケラの全身像です。頭と胸が一体化し卵の形になります。どう見ても、窒ヘ身体の割に貧弱です。
ケラ・オケラ・・・

庭のアスファルトの掃除をしていたら、チョロチョロと動く虫が目に入りました。全身茶色であったので一瞬毛虫かなあと思いましたが、良く見たらしばらくぶりに姿を見た「ケラ・オケラ」でした。早速ですが、チョロチョロ動くケラを捕まえてデジカメのネタにしてみました。

「ケラ」については昆虫であること以外、詳細なデータを持ち合わせていないのでネット検索で資料を集めました。読んでいて気になったのが、ただ捕まえて置いただけでは一晩で死ぬことがあると言う記事を見てあれれとなりました。ケラのエサは雑食であり、ミミズや虫類、植物等何でも良いとあり、何よりも水気が無くなるとダウンするとありました。入れ物を工夫し、水浸し気味にしキャベツの葉を入れておきました。

トップの画像は、捕まえてすぐの状態のケラでじっとした瞬間に撮影したものです。落ち着かない状態が続き、狭い容器の隅を行ったり来たりと動き回っていました。

                                                       2019.07.08 作成



さて、マクロの目で撮影するにあたり動きを良く見ると、口の前に二対のへら状の触手があり、これを水気の部分に付けてペチャペチャやっています。さすがにキャベツの葉をすぐには食べるまではいきません。何か別のエサを与えなくてはなあと思いました。

そんなこともあり、「ケラ・オケラ」の生態を観察しページを起こしてみました。気が付いてみると、虫の世界は身の回りに無数にあり楽しめます。

全体の姿 1 全体の姿・・・

アスファルトの上をチョロチョロと動き回り、結構早いので手で捕まえるとなると一苦労します。

何とか捕まえて小さな容器に入れて撮影です。くるくると容器の端を動き回り、止まることがありませんでした。
全体の姿 2 全体の姿 3
全体の姿 4 最初の容器が小さかったので、コンパクトデジカメが入りません。上から見下ろす画像しか撮影できないので、少し大きめの容器に交換し正面からのアップを撮影です。

シカし、さすがにケラと言えども真正面からは撮影することが出来ませんでした。
全体の姿 5 エサに与えたキャベツの葉の上に置いてみました。真横の低い位置からの撮影です。

顔の様子 1 顔の様子・・・

寝る前に見たら少々弱って動きがのろい感じになって居ます。捕まえて手ではさみ、正面からの撮影に挑戦です。顔のアップの記録が完成です。

気がついたらバンザイスタイルになりました。アップで見ると可愛いなんてとんでもない表情で、目が大きくどう猛な感じすらしてきます。
顔の様子 2 これはずばり可愛い表情になりました。参ったよ・・、早く放してくれと語りかけているようです。前肢が熊手状になり、土を掘るのに適しています。

口の近くに先端がへら状になっている触手があります。これはどのような働きをするのか分かりませんが、水をなめたり、土を除けたりするのかなあと思いました。

モグラの大きな手に相当する頑丈な手ですが、土を掘って進むには必要な前脚の部分です。
顔の様子 3 顔の様子 4
顔の様子 5 正面右の複眼にストロボのリングが写り込んでいます。肝心の口の部分がどうにも記録出来ません。

頭胸部の様子 1 頭胸部の様子・・・

ネット資料を読むと、頭部と胸部が一体化して一つのまとまりを構成し、卵の形になっていると書かれてあります。なおこのスタイルはモグラと同じで、汚れないようになっているとありました。

この部分だけを見ると、ザリガニに似ています。
頭胸部の様子 2 頭胸部の様子 3
頭胸部の様子 4 頭部と胸部が一体化して一つのまとまりを構成し、卵の形になっている・・・、毛がびっしりと生えています。これは汚れがつきにくい構造だと言います。

この部分だけを見ると、ケラの表情はけわしい顔つきになります。
頭胸部の様子 5 ほぼ真横から見た、口の周りにある上下二対のへら状の触手です。正確にはこの働きが分かりませんが、水に触れてぺちゃぺちゃしていましたので、水を飲んだり、エサを食べる働きがあるのかなと思います。
頭胸部の様子 6 ここからは、真正面少し上から見下ろした頭胸部の様子です。目の下に長い触角が一対伸びています。

目の横(身体の中心側)が凹んでいます。これも何かの働きに関係するのでしょうか。

へらのような触手がはっきりと見えています。
頭胸部の様子 7 頭胸部の様子 8

腹部の様子 1 腹部の様子・・・

下からの様子が分かりませんし撮影出来ていません。三対の脚と窒ェついている部分が胸ですが、どうもこの区別がはっきりとしません。

身体のバランスから見て、窒ェあまりにも小さいし貧弱です。こんなのもので飛べるかと思いますが、ネット記事によれば、ジャンプして飛び上がった時に少しは飛ぶことが出来るとありました。

腹部の先端(尻の部分)には二本の尾毛があります。
腹部の様子 2 腹部の様子 3
腹部の様子 4 丸い形の前窒ニ細長い形の後窒ェ見えています。この形では飛べないことが一目です。飛び上がった時にちょろりと動ければ良いのかなあ・・、そんな気がしてきます。

コオロギだって窒ェあってもとべませんから・・。

エサを与えると 1 エサを与えました・・・

夜になりどうなっているかなあとみたら、何と何とキャベツの葉にかじりついてかなり大きな穴を開けていました。すごく嬉しくなり可愛くもなりました。

キャベツの葉にくい込んだかじった跡、まるでリアス式三陸海岸の海辺のようです。

一番下の画像は、これからでしょうか、それとも食い気が無いのかはっきりしません。
エサを与えると 2 食べた跡
エサを与えると 3 エサを与えると 4

昨日とらえた場所近くに放しバイバイです。
おわりに・・・

子どもの頃を思い出しながら遊んだケラでした。朝になり見たら動かないで居るので、あれれ弱ったかなあと気になり触ってみたらぴょんと跳ねました。あれっ大丈夫だ、今日の分の画像を何コマか記録したら自然に帰してやろう。アスファルトに置いたらチョロチョロと素早い動きです。流し撮りでの記録ですが、あまりピンボケにならず見られる画像になりました。昨日とらえた場所近くに放しバイバイです。楽しませて貰ったケラ・オケラでした。


ケラ(昆虫)・・・

昆虫綱直翅綱目ケラ科に属する昆虫。ケラ類を総称していう場合もある。農作物の害虫で、俗にオケラともいう。体長3センチメートル内外、全体茶褐色で、前脚脛節は赤褐色。頭部は卵形で小さく、触角は糸状で短い。頭部は丸みを帯び前方に強く細まり、樽形をした前胸背板に半分ほど隠される。前胸背板には金色微小突起を密生している。

前翅は短く楕円形で、腹部の根元部分を覆うのみ。前翅は雌雄ともに相似た翅脈をもつが、雄では肘脈(ちゅう)脈が枝分れして長三角室をつくり、雌ではこれを欠く。また前翅は雌雄ともに発音器を備えている。後翅は前翅より長く、先端は腹端を越える。

前脚はモグラの手のように鋭いつめを備え幅広く、土を掘るのに適した開掘脚になっている。中脚と後ろ脚は両方とも短く、相似ているが、後ろ脚の腿節は腹部に沿って湾曲する。腹部は円筒状で長く、尾角は普通のコオロギ類のように長い。産卵管は退化していて、腹端部は雌雄よく似ている。

成虫、幼虫とも地表に近い地下にトンネルをつくり、その中で生活する。産卵は5、6月に行われ、幼虫態でほぼ1年過ごし、翌年の秋までには成虫となる。成熟した雌はトンネルをとっくり状に広げ、そこに草などを詰めて4、5粒の卵を産み付ける。成虫は春秋にトンネル内で低い調子のジージーという声で鳴く。

越冬直前になると、それまでの湿った場所を捨て、乾いた土地へ移動する。このとき、灯火に飛んできたりするが、やがて地表深くへ潜って越冬する。食性は雑食性で、植物の根などを食べる。野菜畑や苗代などで重要な害虫となる。アカオビトガリバチなどのハチは、特異的にケラを狩る、ケラの天敵である。
                                                             ※ネット資料より

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