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          2020ゴマダラチョウ


マクロの目 江刺ふるさと探訪記  

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家の外壁に留まり黄色の口吻を伸ばして吸ミツ活動をしている場面。
2020ゴマダラチョウ・・・

梅雨明けを思わせる8月の初旬のこと、家の外壁に留まって口吻を伸ばし蜜を吸うそぶりを見させている一匹の大型のチョウを発見、何とめったに下界で見ることの出来ないゴマダラチョウでした。すっかり乾いている外壁に何で・・と思いつつマクロカメラを取り出して接近、そして接近と留意して撮影したのがこのゴマダラチョウです。

最初にもふれましたが、ゴマダラチョウは梢の高い場所を飛来するチョウであり、外壁に留まって吸ミツ動作をするなんて初めて見ました。予想ですが、たった今羽化して様子が分からない状態なんだろうと勝手に思い込んだ私です。チョウから30センチ程まで接近出来るなんて珍しいこともあるものです。

ゴマダラチョウはオオムラサキと同様にエノキの葉を食樹としているので、チョウ好きの私にとって学生の頃からの憧れのチョウでもありました。しかし、ゴマダラチョウの幼虫は発見出来てもオオムラサキは無理でした。

トップの画像は、家の外壁に留まり黄色の口吻を伸ばして吸ミツ活動をしている場面です。黄色の口吻とオレンジ色の複眼、黄色系統の色が好きなのですね。
                                                       2020.08.19 作成

ゴマダラチョウ・・・

ゴマダラチョウ(胡麻斑蝶)は、チョウ目(鱗翅目)タテハチョウ科に分類されるチョウの1種。日本を含む東アジアに分布するチョウで、和名通り黒地に白のまだら模様が特徴である。日本では北海道から九州まで、日本以外では朝鮮半島からヒマラヤ、ベトナムにかけて分布する広域分布種で、地域ごとに成虫の大きさや斑紋、季節型などが分化している。

成虫の前翅長は35〜45ミリで、メスの方がやや大きい。翅は近縁のオオムラサキと同様わずかに丸みを帯びた三角形で、目立つ突起は無い。翅は前後・表裏とも黒褐色の地に大きな白斑や帯模様が散在しており、和名もここに由来する。口吻が橙色、複眼はオレンジ色をしている以外は全身が白黒二色で構成されている。

成虫は年2回、5月〜8月に発生するが、温暖な地域では年3回発生することもある。低地から丘陵地の雑木林に生息するが、成虫はそれに隣接する都市や住宅地にも姿を現すことがあり、エノキが多分にあれば都市周辺でも発生する。花を訪れることは少なく、クヌギなどの幹から染み出た樹液や、カキなどの腐果、獣糞などにやって来て汁を吸う。オオムラサキと一緒に見られることもある。

幼虫はニレ科のエノキを食樹とする。幼虫の頭部には2本の角があり、オオムラサキの幼虫とは食草も同じでよく似ている。冬になると幼虫は木の幹を下り、落ち葉の中で越冬する。春になると再び幹を上り、若い葉を食べて成長する。蛹は緑色の紡錘形で、エノキの葉に尾部だけで逆さ吊りになる。
                                                     (※ウイキペディアより転記)

家の外壁にて 1 家の外壁にて・・・

最初にもふれましたが、家の外壁に留まり吸ミツ活動をしている様子です。家の外壁が雨にぬれているのならともかく、乾燥している外壁に口吻をくつけるとは初めての光景です。

以下同じような形態になりますが、窒フ拡げた方の相違等をご覧下さい。少し窒フ先端部がちぎれており、クモの巣等にからなったのかも知れません・・。
家の外壁にて 2 家の外壁にて 3
家の外壁にて 4 トップの画像と正反対の向きになります。不思議なのは常に口吻を外壁にくつけ、あたかも蜜を吸う動作に見えますから不思議です。本気になって蜜を吸っているのかも知れませんが・・。
家の外壁にて 5 頭部と口吻、そして目の拡大です。この複眼の色ですと目立つのではないでしょうか。

樹上にて 1 樹上にて・・・

家の外壁に留まっているのをそっとつまみ、庭にある木の上に置きました。飛んで逃げるのかなと思いましたが、少し暴れたのみで木の葉に留まり、相変わらず口吻を伸ばして吸ミツ活動です。

よほど腹が空いているのか、まだ飛べない状態なのかなあと思ってしまいました。
樹上にて 2 ぴたっと花を閉じてしまいました。こうなると、正面からは見えにくくなります。
樹上にて 3

窒閉じた状態からぱあっと水平近くまで開きます。このポーズがチョウが一番きれいに見える瞬間ですが、外敵にあたる大形の鳥に狙われる事になります。

下の二枚の画像は、ゆっくりと窒閉じていく流れの中の一コマです。

樹上にて 4 樹上にて 5
樹上にて 6 ぴたっと窒閉じた状態の真横からです。口吻はたたんでいました。

おわりに・・・

学生時代からの憧れのチョウはオオムラサキでした。食草(食樹)はエノキの葉になります。今となると60年以上前の思い出になりますが、北上市展勝地の一角にある男山の斜面(いまだに手が付けられていない)にエノキの群落があり、ここを這いずり回ってエノキの数を数えた事もあります。確か大きな木で25本ぐらいありました。

本来であれば、春先に根元にある枯葉をめくり幼虫を探すのですが、なかなかうまくいかなかったことを思い出しています。それではと言うことで、50年ぐらい前からエノキの幼木を見つけては、家の敷地内に植え食草林を造りました。オオムラサキは棲み分けの関係でしょうか見つかりませんが、ゴマダラチョウは結構見つかりました。

今回のゴマダラチョウもその一環であると信じていますが、チョウの新しい棲み分けをあとから造るのはかなりの年数がかかると思われます。そんな夢を思い出してくれた今回のゴマダラチョウの飛来でした。チョウの住み処造りは夢がありますが、うまくいった時は楽しいものです。

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