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          2022イラガの幼虫

マクロの目 江刺ふるさと探訪記  

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棘一杯のイラガの幼虫で、触れたが最後必ずジカリと刺されてしまいます。
2022イラガの幼虫・・・

イラガの幼虫に刺されたというと、丁度一年前の事を思い出します。今年は私だけ(昨年は息子も)ですが、クリ拾いをしていて柿の木の下をくぐった時の事でした。柿の枝にかぶっていた帽子が引っかり落ちそうになったので、帽子をひょいと元に戻し柿の木の下を通りました。

その瞬間のことですが、人差し指の爪の下をイガの棘の様な物で「じかり」と刺され、「あれっ、こんな所にイガは無いよなあ」と帽子を外して見てびっくりです。帽子の天井にケバケバしいイラガの幼虫が留まっているではありませんか。更に見上げてびっくりしたのは、柿の葉が虫食い跡だらけになっており、これがイラガの幼虫に食われた跡だったからです。

やれやれとなりましたが、ここで引っこんでいないのが私の良いところであり、改めて柿の木の葉を見直してびっくりしました。何と元気な幼虫が二匹もいましたし、もっとびっくりしたのが天敵のハチの幼虫に身体を食われ、抜け殻状態の幼虫が多数見られたことです。今回初めて気がつきました。

トップの画像は、棘一杯のイラガの幼虫で、触れたが最後必ずジカリと刺されてしまいます。

                                                       2022.10.14 作成

帽子の上についたイラガの幼虫 1 帽子の上についたイラガの幼虫・・・

帽子の頭にいつの間に移動したのか、気がつきませんでした。こんな幼虫に手を触れたら大変な事になります。

知らないで人差し指が触れたのでガツンときました。クリのイガを刺したとばかり思いました。痛かったですよ・・。
帽子の上についたイラガの幼虫 2 頭の方向斜め上から・・・

下の画像左は正面方向からです。右の画像は尾部方向になります。身体の前後方向に鋭い棘で張り巡らされています。

イラガの鋭い棘、幼虫を食べに来るのはどんな動物があるのでしょうか。うかつに近づいて、エサには出来ませんね。
帽子の上についたイラガの幼虫 3 帽子の上についたイラガの幼虫 4
腹の下に隠れている頭部 1 腹の下に隠れている頭部・・・

身体に潜り込んで普段は見えない頭部です。身体の上部は硬くて棘がありますが、腹の下の部分は派手な色合いが無く皮も薄いようです。

頭部は、普段は筒のような身体の中に隠されているようです。
腹の下に隠れている頭部 2 大きく腹部からはみ出している頭部になります。バックを暗くしたので、刺々しい身体の様子が不気味に見えてきます。触れたらガツンときますね・・。
身体を拡大すると 身体を拡大すると・・・

幼虫の身体を拡大すると、目に見えないほどの細い棘が無数に生えており、触れたが最後(ジカリ)と刺されて苦しみます。間違っても素手で触れてはいけません。


面白い虫の姿・・・

下の左右の画像は、初めて見つけた面白い虫の姿です。あの凄まじい幼虫に寄生し、体内で大きくなってハチになる寄生バチの幼生(?)です。食うもの食われるものの生活史になります。
面白い虫の姿 1 面白い虫の姿 2

無数の棘の様子 1 無数の棘の様子・・・

身体一面から出ている無数の棘を拡大してみました。気がついた事は、棘の先端部から更に細い糸のような棘が出ています。

その途中からでしょうか、水滴のような水玉状の液体が出ていたことです。水ではありません・・、毒液(?)です。
無数の棘の様子 2 無数の棘の様子 3
無数の棘の様子 4 ここまで細くなると、棘と言うよりも細い毛のような様子に見えてきます。この様な状態は、今回が初めて撮影出来ました。これでは人間の身体の皮膚などはぶすりと通りますね。

下の左右の画像も同じ状態の棘です。毒液でしょうか水玉(?)が見えていました。
無数の棘の様子 5 無数の棘の様子 6

蛹(前蛹)の姿 1 蛹(前蛹)の姿・・・

これから硬い蛹になる前の状態です。蛹と言えども良く見ると細く短い棘があり触れると刺されます。

資料によると、このまま冬を迎えるとありました。幼虫の状態がスマートになり棘が落ちた状態にも見えます。
蛹(前蛹)の姿 2 蛹(前蛹)の姿 3
蛹の状態 1 蛹の状態・・・

イラガの蛹です。この状態で冬を越します。石灰質のすごく硬い殻になっているとありました。私もかなり見てはいますが、実際に割ってみたことがありません。

蛹を割って取りだした幼虫は、釣りのエサになると書かれてありました。

縦縞の模様がくっきりとし、どう見ても棘の多い幼虫の姿につながりません。
蛹の状態 2 蛹の状態 3

寄生バチ 1 寄生バチに留まられ(たかられ)、やがては体内で幼虫を育てながら共に生きていく昆虫の世界、人間の世界に置き換えるとどうなるのでしょうか・・。じっくりと考えると意味しんちょうになります。

柿の葉等を食べているイラガの幼虫に、ハチなどの幼虫が寄生します。

寄生虫に取り付かれたイラガの幼虫は、体内の組織を食べられながら生きながらえ、やがてはハチの子などに成長し体外に出ていきます。この時点でイラガの幼虫は死滅します。天敵とは怖い存在になります。
寄生バチ 2 抜け殻の表面に丸い穴が開いています。ここからイラガの幼虫の身体の組織を食い尽くし、成虫になったハチなどが出て行きます。

イラガの天敵はカマキリやヤドリバエ、アシナガバチなどと言われています。体内に寄生し大きくなるのは、ヤドリバエと言うことになりますね・・。

下の画像は柿の葉についたイラガの幼虫、触れると痛そうに思える幼虫も、最後は寄生されて一巻の終わり、これも定めと言えそうです。
寄生バチ 3 寄生バチ 4

おわりに・・・

今回の撮影では、柿の葉をイラガの幼虫が好んで食う事が新しい発見でした。幼虫に寄生する天敵の抜け殻も新しい発見でした。刺されて痛い指の手入れをしながら、イラガ幼虫の姿、毒針、前蛹、そして蛹の姿を撮影しました。

無数に開いている穴は、寄生バチの幼虫が親になり巣立っていく跡(そう思いたくなります)とも言えそうです。今までの撮影よりかなり残酷な立場で見つめてみました。今回は今までとは別の立場からの撮影でした。刺された指は痛いのですが、やせ我慢です。やれやれの思いが残りました。

寄生バチ 4
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