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      陸前高田市・高台造成工事の様子


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気仙川に架かる仮橋の上から眺めた今泉地区の高台山(120m)に造成される工事の様子です。
陸前高田市・高台造成工事・・・

大震災から三年を過ぎた今、岩手の被災地でも復興の兆しが見られるようになりました。三年目にして全線開通した三陸鉄道、生活の足とも言える鉄道の開通は被災地の皆さんに明るいニュースとして定着しています。また、本日4月12日は復元修理が完了したSLの定期運行の初日がスタートし、多くの方々が訪れていました。

昨年十一月のことですが、永久保存処理がされた陸前高田市「奇跡の一本松」の見学に出かけた時のことです。最初の頃は一本松までのコースは、荒れ地に矢印の立て札があるのみであちこち見ながら現場まで行けましたが、今回は通路がしっかりと舗装され、それ以外の場所には立ち入ることが出来ませんでした。

流失した高田松原近くの被災地には鉄骨の櫓があちこちに組まれ、気仙川に架かった吊り橋までありました。軽い気持ちで撮影していた情報に疎い私は、気仙大橋仮橋が本格的な吊り橋になるのかなと思っていたほどです。道路になるのかなと思えた吊り橋が、陸前高田市を復興させる高台造成地と土地のかさ上げに使われる土砂の運搬に使用されるベルトコンベア専用の吊り橋になるとは知りませんでした。


ここでは陸前高田市の復興工事を、私なりに現地を訪れて撮影し高台造成地の工事の様子や、津波被災地のかさ上げの様子等々を紹介していく予定です。かなりの長丁場になりそうですが、家から90分で行ける心の故郷の変容を見届けたいなと思っています。

トップの画像は、気仙川に架かる仮橋の上から眺めた今泉地区の高台山(120m)に造成される工事の様子です。この山が半分以下になり、この場所に新しい宅地が造成されます。その時生じた残土を津波被災地に運びますが、この時利用されるのが吊り橋を造って造成された「巨大コンベア」になります。



今泉地区高台造成地の変化・・・

高台造成地に予定されている120mの山地ですが、この山地を高さ45mほどまで掘削し、その時生じる大量の土砂を大型破砕機で30センチ以下に砕き、気仙川をまたぐコンベアで気仙川対岸に運びます。ダンプカーだけでの工事ですと10年ほどかかるそうですが、コンベア利用により来年(2015年)五月には土砂の搬出が終了すると言います。

コンベア全長が約3kmあり、総事業費は約120億円と言いますから驚きです。コンベアによる一日の土砂運搬量がダンプカー四千台に相当すると言いますから驚きです。高台予定地の山がどんどん削られ低くなり、付近の景色が日に日に変化していきます。現地に住んでいないこともあり、毎日の変化の様子は分かりません。しかし、可能な限り現地を訪れ、歴史的な工事の様子と今泉地区の変容を記録していきたいと思います。
2011.07.11の原石山 2011.07.11

気仙大橋仮橋が完成した頃、仮橋歩道を歩きながら撮影した正面の高台造成地です。

まだ計画の段階のでしょうか、きれいな山間を見ることができました。




2012.08.20の原石山 2012.08.20

奇跡の一本松を見に行った時に撮影した、今泉地区の高台造成予定地です。

見た目には変化がない正面の山ですが、準備段階として作業計画が進んでいたはずです。

初めて一本松を訪れ多時の撮影ですが、多くの皆さんが見学に訪れていました。
2013.11.24の原石山 2013.11.24

気仙町側のコンベア吊り橋タワーが造られ、岩石破砕機の隣には大きな建物が建設中です。

この建物の上から山頂に向かい、重機が作業できる通路である段差が造られていきます。
2014.03.28の原石山 2014.03.28

高台造成地の斜面は樹木等が切り出され、山の頂上まで岩盤がむき出しになっています。

しかも、重機の作業が可能になるように段差が作られています。

巨大な岩石破砕機の部分を基準にすると、頂上までは10段ほどになるようです。
2014.07.22の原石山 2014.07.22

2014年三月末頃の山間の段数を基準にすると、十段ほどあった崖の区切りが七段ほどになっています。

正面に作業中の重機が見えていませんが、後ろの方から切り崩し、重機で運搬し破砕機に入れているはずです。


2014.11.23の原石山、かなり低くなりました。

2014.11.23

しばらくぶりに訪れた高台造成地、工事の進行が早いのでしょうか、予定通りなのでしょうか。

驚いたことは、切り出している山の向こうに別の山の峰が見えていたことです。

天気は良いのですが、西側の様子がすっきりとせずかすんでいました。

2015.3.17の原石山、ほぼ平坦地に見えます。 2015.03.17

2015年になって初めて訪れました。最大のねらいは山を爆破する瞬間を見たかったからです。

大量のダイナマイトを使用すると報じられていたので迫力を期待しましたが、土煙は上がったものの爆発時の音と振動は期待はずれでした。

夏までには岩石山の破砕処理を完了し、見所になっている巨大なベルトコンベアと吊り橋が解体されると言います。

今後、何回か訪れて世紀の瞬間の画像を記録したいなと思います。
   


奇跡の一本松側から見た2013年11月28日の高台造成地の様子です。 2013年11月24日・・・

復元された奇跡の一本松撮影に訪れた時、歩きながら撮影した吊り橋方向の様子からの画像です。

撮影のねらいが奇跡の一本松の様子であり、造成地からの土砂運搬のベルトコンベアや、気仙川をまたぐ吊り橋の建設中のことは知りませんでした。

画像数が少ないのですが、進行中の吊り橋やベルトコンベア工事の様子を紹介します。
気仙大橋仮橋から見上げた2014年3月28日の高台造成地の様子です。 2014年3月28日・・・

3月25日の新聞紙上で陸前高田の復興加速と題して、「高台造成の土砂運搬のための巨大コンベア稼働」試運転の様子が報道されました。

復元一本松の撮影に訪れた時、気仙川をまたぐ巨大な吊り橋と高い場所に組まれた櫓を見ていたので、「ははんこれは土砂運搬の吊り橋だったのか・・」と納得です。

お粗末と言いますか、大震災復興工事の進捗状況ニュースに疎いことを反省しました。早速訪れて撮影してきた画像から編集し、その様子を紹介いたします。
2014.07.22の原石山、三段分の土砂が削られています。 2014年7月22日・・・

3月28日の同じ場所の画像では、切り出しように作られた岩盤の段差が10段見られましたが、7段しか数えることができません。

高さが減少した三段分の土砂は、コンベアで運ばれてどんどんかさ上げが進んでいます。

正面には掘削用の重機等が見られませんが、裏の斜面では作業が行われているとおもわれます。
2014.11.23の原石山、かなり低くなりました。 2014年11月23日・・・

私の定点撮影とも言える気仙大橋仮橋からの眺めです。前回から四ヶ月ほど経過していますが、段差の数がかなり減少していました。

驚いたことは、切り出している山の向こう側に別の山の峰が見えていたことです。奥の山は工事とは関係ない場所と思いますので、画期的な工法による高台造成工事の進行に驚くばかりです。

訪れた日が日曜日でもあり、切り出しの様子等が一切見られなかったのが残念です。
2015.3.17の原石山、ほぼ平坦地に見えます。 2015年3月17日・・・

昨年度末と今年3月の二回とも、空模様は快晴なのですが近くの山肌がすっきりしません。

訪れる時間帯によると思われますが、ベルトコンベアの音はするものの岩石の運搬が見られません。コンベアの先端から吐き出される土砂の山、何とか撮影したいのですが・・・。

家から90分、もっと通いなさいと言うことなのでしょうか。