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氷壁へのライトアップ・・・

前のページに鍾乳石が氷に覆われた氷壁の画像を紹介しましたが、この場所を通り過ぎた場所にライトアップされている部分がありました。鍾乳石だけの場合はライトアップしてもそれほど見栄えがないのですが、照明があたると別の世界の情景が浮かび上がり、幻想的とも言える趣をかもし出していました。

この場所はストロボを使用せず照明だけでの撮影ですが、カメラの色温度の関係で青白っぽい色に見えています。しかも、照らしっぱなしではなく変化がありました。氷筍も素晴らしいのですが、氷筍を見慣れている私には氷壁のインターバル照明が素晴らしく感じました。

氷壁面へのライトアップ 1 輝く氷壁に見とれる親子連れの方です。手前の広場は立ち入り禁止ではありませんので、通路から外れて三脚を使用しての撮影です。

撮影データ・・・
24mm
f8 2秒
ISO 1250
氷壁面へのライトアップ 2 青っぽい色光に写ります。
氷壁面へのライトアップ 3 上の場所と同じですが、インターバル照明なので壁面全体にあたります。
氷壁面へのライトアップ 4 同じ場所ですが、現場には案内と監視の係が居られました。


千畳敷右奥の支洞・・・

千畳敷の周囲には、立ち入り禁止のテープがあちこちに張られています。第一の理由は氷筍の保護のためです。ひょろひょろと立っている氷筍の直径は、太いものでも6〜7cm位(目測で)でしょうか・・。そして先端部に比べて根元が異常に細いのです。うっかり手を触れると、一瞬にして倒れてしまいます。

第二の理由は、冬眠中のコウモリの保護のためです。冬眠中のコウモリは刺激が加わると目が覚めると言います。当然ですが、生きていくためにはエサの昆虫を求めて動かなければなりません。真冬ではそれが不可能ですから、衰弱し死んでしまいます。

言わずもがなのことですが、迷路のようになっている支洞が無数にありますので、迷って入らない様にしてあります。

千畳敷の内間木富士とは反対側の支洞にテープが張られ、コウモリ保護のために立ち入り禁止となっています。この支洞の通路にも、背は高くないものの無数の氷筍が見られていました。

千畳敷右側にある支洞の氷筍 1 支洞の入り口に張られたテープ、{ここから先、コウモリ保護のため、関係者以外立入禁止」と書かれてあります。

背丈はそれほどありませんが、きれいに成長した氷筍が並んでいました。
千畳敷右側にある支洞の氷筍 2 支洞の奥に見える氷筍です。

この場所で氷筍が成長すると言うことは、千畳敷に入った外気の流れが、この支洞を通り抜けていることになります。
千畳敷右側にある支洞の氷筍 3・・・コウモリがお分かりでしょうか。 撮影しているときは気がつかなかったのですが、画像処理をしていて光っている物があることに気づきました。

何だろうと拡大画面で見たら、なんと冬眠中のコウモリが壁面にぶらさがっていました。

この画像の右上と右下に写っています。


今回の最深部、内間木冨士・・・

内間木冨士まで進んでみた。やはり今回もその先は閉鎖されており、ここか先へは進めない。側にいた係の男性に分かっていながらも「今年もだめですか・・」と確認したらそうですとのこと。意外な話として、「私は昨日ここの奥に入ってきました。個人の立場ではなく洞穴協会の調査活動でした・・・」と話されていました。

行き止まりの場所には洞穴関係の方がおり、訪れた方からの質問に答えていました。見ていた女性が「コウモリはどこにいるの?」とたずねたら、手にしたライトを洞穴天井に向けて「あそこにいますよ」と教えていました。女性の目にコウモリが確認できたかは不明です。

また女性は「ここの温度は何度ぐらいあるの」とたずねたのに対し、「今年は気温が低くて天井からしたたり落ちる水滴が少ないのです。そのせいで氷筍の数も少ないのですよ。」そして、洞穴の壁をライトで照らしながら「壁の上の方は凍っていないのですが途中から凍っています。この境目あたりが零度以下なのです」。

本来であれば、鍾乳洞の内部の気温は通年十度前後のはずなのですが、この千畳敷ホールは零度以下になっています。ホールには外(洞穴入り口)から冷たい空気が入り込み、外気とそれほど違わないことになります。そのため天井から落ちた水滴が地上で凍結し、その場で上に延びて氷筍になっていきます。分かっていることとは言え、なるほどなあと納得です。

内間木冨士へ向かう通路。 氷壁ライトアップの場所を通り過ぎると、少し急場がれ場になります。

この奥に、今回の最深部になる内間木冨士があります。
終点になる内間木冨士の場所 1 今回の最深部、内間木冨士の場所になります。この鉄階段を登ると大広間に通じますが、今回も立ち入りは出来ませんでした。
終点になる内間木冨士の場所 2 内間木冨士の表示上の部分です。前回もはっきり分からなかったのですが、冨士と言うからには富士山と同じ形の部分があるはずです。

一番最後の画像上部にそれらしき鍾乳石がありますが、それとて定かではありません。

命名者の感性と言いますか、鍾乳洞の名所命名にははっきりとしない部分があります。
終点になる内間木冨士の場所 3 通路に無数に成長している氷筍です。しかし、これ以上は成長しないような感じがします。

この場所を歩くとしたら滑って大変そうです。
終点になる内間木冨士の場所 4 内間木冨士の右端の部分です。つららが成長している部分がありますが、この場所の気温がマイナスになります。

つららの上の部分には凍結している部分が見当たりません。

説明されている方のお話通りであり、上の方は暖かい空気が流れているはずです。


今回の終点になる内間木冨士の場所になります。

おわりに・・・

画像のタイムスタンプを見たら、丁度一時間ほど中で撮影していたことになります。洞穴を出て、受付に私が頂いたカードを返し出洞の確認です。たまたまですが、道具をしまいながら見ていたらストーブの側に居られた男性のネームプレートに目が行き挨拶をしました。日本の鍾乳洞探検のバイブルとも言える「お気楽極楽」の内間木洞に投稿されていた方でした。

初めてお会いする方ですが、小国地区(内間木地区も含む)の自治会長を務められ今回の氷筍観察会の主催者でもあります。お話しによると、通路の整備も今年からきちんとししたし、ガイドをする若者も皆地元(小国地区)であり、色々教えて皆さんに接するようにしたとのことでした。そう言えば入り口の階段に居られた若い男性・・・、子ども達に丁寧に解説されていました。地元や周辺地区の子ども達でしょうが、地域の宝でもある内間木洞の素晴らしさを教えている姿、嬉しい思いで見ていましたから・・・。

「多くの人に来てもらうためには宣伝が必要です・・・」、と語る二橋さんでした。私も氷筍観察会の記事を作成し、がっちりと宣伝しますからと伝え内間木洞を後にしました。二橋さんのお話しですと、今日の入洞者は三百名を超したと言います。

朗報として、今年から七月第二日曜日を夏の内間木洞一般公開の日にするとのことです。夏の時期ですからコウモリの冬眠にも影響が無く、がっちりとガイド付きで最深部(観光洞として)まで入れます。一年に一回の公開日になりますが、関心のある方はよろしくとのことでした。それ以外は、教育委員会の許可を受けて研究目的での入洞しか方法はありません。

以前の画像記録とページの紹介を調べると、2006年2月11日2007年7月8日に訪れていますので今回は三回目と言うことになります。帰りも雪道の長距離ドライブとなり、吹雪の高速道を走ってきました。最初の迷い道などがあり420kmほど走りました。花巻付近から猛吹雪になり高速道が渋滞し大変な一日になりました。いやあ、岩手は広いなあと改めて思いました。

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